人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』感想2

 

ミュージカル『ジャック・ザ・リッパー』感想

続いては主人公のダニエルについて。

ネタバレ注意。

 

 

 

 

【ダニエル】

 

 

アメリカ人外科医。

 

臓器移植の研究をしているが、研究に必要な新鮮な内臓がアメリカではなかなか手に入らず、新鮮な内臓を求めてイギリスに渡る。その際内臓を手に入れるために裏取引をしたのがジャック。ジャックへ繋ぐ案内人であるグロリアと恋に落ち、アメリカへ連れ帰ろうとするが、グロリアに裏切られたジャックの復讐によってグロリアを失い、失意の中帰国する。

 

7年後、研究発表のため再び渡英し、そこで実は生きていたグロリアと再会する。再会したグロリアは7年前の火事で皮膚は焼けただれ、さらに梅毒に罹患しており薬も効かない状態だった。臓器移植しか治療法はないと悟ったダニエルはイギリスに残り、グロリアを救うための新鮮な内臓を探す。しかし1万ポンドを出すという広告を打っても臓器を差し出す者は現れず、ついにダニエルは共同墓地から死体を掘り返し始める。それでも死体の内臓は使えるものではなく、ダニエルに浮かぶ選択肢は「殺人」しか残っていなかった。医者・人としての良心との狭間に苦しむあまり、自分の中で7年前に死んだジャックの幻を作り出し、7年前と同じく「ジャックから新鮮な内臓をもらう契約をした」という設定を生み出し、ジャックを免罪符についに殺人を犯すようになる。このことはグロリアには秘密にしていたが、ある日グロリアが全部わかっていること、そのことで自分自身を責めていることを知り、苦悩した末「僕は犯人を知っている、犯人の名前はジャック」と公衆の前で叫ぶ。刑事のアンダーソンと記者のモンローにこれまでの顛末を話し、おとり捜査をするアンダーソンに協力する素振りを見せるが、その場に現れたポリーを殺害。自身の研究室に帰ったあと、アンダーソンと死闘を繰り広げた末に銃殺される。

 

 

ダニエルについて最初から最後まで書くと

やっぱり長くなりますね。主人公なんだなと

実感させられます。笑

 

ダニエルが殺人を犯すための免罪符、それがジャック。

でも、ポリーを殺した時の動揺具合を見ると

果たしてジャック自身に「ジャックを生み出した」

自覚があったのかどうか…

自覚もないくらい精神錯乱状態だったのかも?

 

もちろんそこまで引っ張らないと

物語的にネタバレが早くなってしまうということも

あると思いますが、もしかしたらダニエルは本当に

『俺がジャックだ』までジャックが見えていて、

取引をしている幻覚を見ていたのかもしれない。

 

「ジャックの連絡先は知りません」

「必要な時にジャックから連絡が来ます」

まあ嘘なんですけど、もしかしたらダニエルは

本当にそう思い込んでいたかもしれない。

 

「僕は犯人知っています、犯人の名前はジャック」

これも嘘なんですけど、ダニエルとしては

大真面目に言っているかもしれない。

 

ダニエルって結局グロリアが全部わかってることを

知って、追い詰められた結果これを終わらせたくて

出頭まがいのことをするわけですが、それでも

結局はポリーを殺しちゃうわけじゃないですか。

それはなんで?もうこのころには娼婦を見ると

衝動的に殺しちゃうようになっちゃったてこと?

出頭してみたもののやっぱりやっぱり、

グロリアへの愛が勝ってしまいましたってこと?

 

結局君は何がしたかったのかね???

という部分は気になったかなあ。

「登場人物ごとに整理しないとわけわかんないわ」

ってなったのはこれが結構大きい。

 

そして、こうやって文章に起こしても

なんか腑に落ちないなあ~。

 

「僕はフランケンシュタイン博士のような

 気持ちになりました」

みたいな台詞はちょっと笑いそうになりました(笑)

いやあんたほんとにやってることビクターと

一緒だよ。墓場掘ってるとこまで一緒よ(笑)

和樹アンダーソン、そんな台詞吐かれて

前世(怪物)の記憶が疼かなかったかしら(笑)

 

止められなくなってしまったんだね。

ビクターと一緒だね。ビクターと違って

動機に純粋な愛があったとしても、

君に同情する余地は1ミリもないぜ。

 

グロリアに一目惚れしちゃうところは、

「この人、恋愛したことないのかしら…」

みたいな感じの一目惚れだったな(笑)

そうじゃなきゃあんな勢いで告白しないし

友人に「恋に落ちた!」なんて言わないし

自分の国にすぐ連れ帰ろうなんて思わない。

 

……いやほんとに

「陳腐なラブストーリー」(byアンダーソン)

だったなあ。

『もしかしたら』とかアンダーソン並みに

しら~~~っとした目で見てしまった。

演出的に間延びだったのか、わたしが単に

和樹アンダーソンの味方に成り下がって

しまっているのかはわかりません。笑

 

ダニエル自身についてはこの辺にしておいて…

 

ダブルキャストなんですけど、

なんか良くも悪くも二人の違いがなかったというか(汗)

どっちを見てもダニエルに抱く感想は一緒…。

 

ダブルキャストってなんかいつもこう、もっと

「Aさんはこんな印象で、Bさんはこう!」

みたいな違いが感じられて面白いな~って

思うんですけど、

今回ダニエルのお二人についてそういう感想が

思い浮かばなくて……

ビジュアルが似ているわけじゃないのに、

なんでだろう。

だから、どっちのダニエルが好き!とかも

ないんだよなあ。

 

でも、どっちも良かったんですよ。

引っかかる部分もなかったし。

お二人とも歌がうまくて演技も上手で。

 

だからこれって本当に悪いことじゃなくて、

この後映像化された時に、

「この組み合わせが良かったのにィ~~!!」

みたいなことがないんですよ(笑)

わたしがこの作品に関してそういうことを

思うとしたら

「なんで和樹アンダーソン×和樹ジャックが

 ないんだよォ~~!!」

くらいかな(笑)