人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター 北斗の拳』感想

 

 

『フィスト・オブ・ノーススター 北斗の拳

が上演されるという第一報が入ってきた時から今まで、

それはそれは色々なことがありました。

 

はじめは、その時点で発表されたキャストだけを見て

「和樹さんと理生さんが共演してくれる!

 やっとだ…!やったー!!」と思い、

(わたしが『1789』で最初に惚れたのは

 誰でもない理生ダントンです)

 

次にタイトルを見て

「…え?北斗の拳?」となり

 

次に日程を見て

「あんた…ツアー中じゃん…」となり

 

いや、和樹さんが本当によく働く人だということは

まあまあよく存じ上げておりましたけども

「ここにどう舞台をねじこむんですか?」

という日程で、ニコ生でもファンと

「出るの?」「出るの?じゃないよ出るんだよ!」

みたいなやりとりがあったくらいで

 

まあ、出るんだよな…

という心づもりでいたところ

 

待てども待てども、

日程が発表されない

ラオウが発表されない。

キャストスケジュールが出ない。

そして、風のうわさで色んなことが

うまくいっていないらしいことが伝わってくる。

 

北斗の拳の日程が発表されない」

「でも和樹さんのライブの申込は始まる」

「仕事の休みどこでどう取ろう」

このもやもやする状況がしばらく続き、

最終的にはすべて良い思い出になったから

良かったものの、当時は本当にイライラしていました(笑)

 

 

まあそんな中でも、調べるじゃないですか。

和樹さんが演じる「トキ」って役を。

 

「物語中、屈指の人格者。」

by Wikipedia

 

いや、和樹さんじゃん

和樹さんそのものじゃん。

そう思いました。

 

担当の美容師さんにも、「トキ?良い役じゃん~」

って言われました。

だからとても楽しみにしていました。

 

 

結果、まあ御察しの通りです。

和樹トキ、最高でした。

愛に溢れた最高の人格者でした。

ちょっと愛が重いところは和樹さんの仕様です。

 

プロローグのあの一瞬でユリアへの恋慕を

あそこまで表現できるのはさすが和樹さん。

報われない恋を演じたら天下一品。

 

死の灰を浴びて瀕死の状態の和樹さんもまた、

本当に儚くて大好き。

死にそうになりながらうっすら微笑むところが切ない。

 

カサンドラの場面なんか、ほぼトキしか見てません。

まだ照明が当たる前からオペラを上げていたら、

一緒に観劇していた後輩に

「なんでオペラ上げるんだろうって思ったら

 後ろから加藤さん出てきてさすがだなって思いました」

と言われました。恥ずかしかった。笑

 

座禅組んでる和樹さん、美しいんですよ。

ケンシロウが来るのを信じて静かにその時を待つ

その表情のなんと美しいこと…

その後ケンシロウと再会した瞬間の微笑み…

そして余命いくばくもない感じ…

 

「登場するだけで死か失恋をネタバレする男」

と呼ばれ、出演作が発表になる度に

「また死ぬよ…」「今回は死なない!!」

話題になる俳優・加藤和樹さんなんですが

 

今回いつもと違うのは

「自分がもうすぐ死ぬことを悟っている」

ってところなんですよ。

いつも、銃で撃たれたり刃物で刺されたり

ギロチンにかけられたり交通事故に遭ったり、

まあ~~突然死が多いんですね。笑

 

死期を悟った和樹さん(トキと言え)の

儚さたるや……。

美しいですね。ただただ美しい。

 

もう一つはやっぱりラオウへの想い。

トキ、お兄ちゃん大好きなんですよね。

何回も見てると思うこともおかしくなってきて

ラオウもトキもただのブラコンじゃねえか(´;ω;`)」

ってなってくるんですよ…

 

『兄弟の誓い』で、青年ラオウに手を握られて

「俺が道を誤ったらお前のこの手で

 俺の拳を封じてくれ」と言われる青年トキと

今のトキの立ち姿がまったく同じになって

そっくり重なる瞬間があって。

 

「ああ、本当にこの約束を胸に生きてきたんだな」

と思わされるシーンで、和樹トキの兄への想いが

強く感じられる瞬間で大好きです。

 

ちなみに小野田トキはこの場面、

青年ラオウと青年トキを客観的に見つめていて、

青年トキと同じポーズをするのは和樹トキだけ。

違いが見られて面白かったです。

 

そうそう、小野田トキは配信で視聴したんですが…

なんか、死にそうにないトキでした(笑)

肌ツヤが良くて…(笑)

やっぱ中の人若いんだなと思いました。

 

あと和樹トキより感情を表に出さないトキだったなと。

だからこそ最期のラオウへの微笑みが尊い

ケンシロウの兄」より「ラオウの弟」が強かったような。

和樹トキは一幕とか特に「ケンシロウの兄」感も

結構感じられたので、そこは新鮮でした。

 

 

原作については序盤をちょっとかじったくらいで、

トキが出てくるところまでは読まずに臨みました。

あまりに原作が長くて挫折したのが大きいですがw、

原作ちゃんと読んでから観たら

「なんでここカットするんだよおおお」的な文句が

出てきて楽しめないかなと思って。

結果正解だったと思います。

 

まったく読んでないわけじゃなかった分

特にリンとバットの再現度には感動したし、

世界観をわかった上で観劇できたのは大きい。

で、今は原作を読みたくなって、LINEマンガで

ちみちみ読み進めています。

 

 

和樹トキ、大阪で進化していたようで。

わたしは結構鈍感なのでどこまで感じられるか

わかりませんが、進化した先の和樹トキを、

そして走り抜けたミュージカルfonsカンパニーを、

来週見届けてきたいと思います。

無事に完走できますように!