人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

『カムフロムアウェイ』感想

 

『カムフロムアウェイ』の感想を書こうと思って

久々にブログを開いたんですが、そういえば

西遊記』も見てたんでしたね…

まあ、とりあえずカムフロムアウェイの話をしましょう。

 

「ミュージカル界のアベンジャーズ」(by加藤和樹

が参集して上演されているこの作品。

ま~そりゃすごかったですよ。

ここにいる12人の誰もが主役級の俳優なのに、

だれも主役じゃない。すごい舞台です。

 

最初は「ここまでしないとチケット捌けないんだな」と

単純に思っていましたが、見たあとは

「これは技術がある俳優じゃないとできない」

と思いました。

今回のキャストは知名度だけでなく技術がある俳優を

集めたんだなということがよくわかりました。

 

あとは本当に全員が一列横並びなので、

キャストの「格」をそろえないと色々と

ゆがみが出てきてしまうな、とも思いました。

そういった意味でも今回のキャスティングは納得です。

 

和樹さんから見ても、共演経験のない俳優さんの方が

少ないですよね?みんな知り合い感がすごい。

和樹さんのみならず、皆さんが楽しそうに

苦労話をしている感じ、本当にアベンジャーズ

 

さて今回の物語、実話をもとにしていますが

この作品を知るまでは、あの日カナダの島でこんなことが

起きていたことは知りませんでした。

 

作品を見ていて何度も泣きそうになりましたが

なんでかって何よりもわたしは

「なんでこんなことができるの。

 どうしてそんなに人のために尽くせるの。」

と思ってしまったからでした。

 

わたしはほんとうに卑屈で自分に甘くて

人に優しくすることが苦手で、

「こんなこと、わたしにはできない」

と心からそう思ってしまった。

自分がいかにいい年して未熟な人間なのかを

まざまざと実感させられました。

 

同じ状況が日本で起きたら、どうなるだろうか。

 

言語が通じない人が、聖書を持っていた。

聖書には同じ内容が書かれているはず、と

番号を示して「思い煩うことなかれ」と伝えた。

…多くの日本人には、これはできない。

とても感心した。

 

イスラム教徒が人々から差別的な目で見られる。

万里生さん演じるアリはとても印象的だった。

そういう目で見てしまう気持ちも、よくわかる。

イスラム教徒だというただそれだけで疑ってかかっては

いけないということもよくわかる。

それだけに心の痛むエピソードだった。

 

仮にこの出来事が日本で起きたとして、

十数年後に演劇作品にできるだろうかということも考えた。

この作品のようにはいかないだろうなと思う。

 

久々に演劇を通して色々なことを考えさせられ、

9.11について調べたりもしたし、

自分にとってはとても意義のある観劇でした。

こういう経験をさせてくれる推しに感謝。

とーーーってもチケット代が高くて、いつもより

観劇回数を減らしましたが、密度の濃い観劇でした。