人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

舞台『BACKBEAT』感想

 

BACKBEATは、和樹さんの出演作品の中でも

ファンの間で再演を熱望する声が多いイメージの作品でした。

確かに初演の熱量は凄まじかったし、

ビートルズが確かにそこにいた。そう思わせてくれた。

けど、キャストは多忙な人たちばかりだし

気づけば4年経ってるし、もう再演はないかなぁ…と

思っていたところのまさかの再演!!!!

 

個人的には、和樹さんのFC先行で購入した初めての

作品がBACKBEATの初演でした。懐かしいなあ。

 

初演の後、声帯を元に戻すのが大変だったとか、

再演の話があった時にものすごく悩んだ、という話を

和樹さんがしていたので、正直ファンとしては心配を

していたんですが、間にコンサートの仕事も入れていたし

良い意味で仕事を取捨選択できるであろう状況で

再演への出演を決めたんだろうから、観劇自体は

純粋な気持ちで楽しみました。

 

まあ、再演するなら少なくともスチュとジョンは

キャスト変更しちゃいけないよな…

結果全員再登板でよかった。

 

再演は、再演ならではの落ち着きというか余裕が見えたような

そんな印象でした。それは良くも悪くも。

がむしゃらさというか、青春の刹那のようなきらめきは

正直初演の方があったかもしれない。

というか、この作品はそこが重要なファクターなので

これ以上再演は重ねなくていいのかもしれない。

 

そのかわり際立ったのは、ジョンのスチュへの執着と

スチュの衝動、猪突猛進さ。

これはジョンとスチュの物語だと、はっきりそう感じた。

 

スチュってこんなに自分勝手でわがままだったか?

スチュに苛立ちさえ覚えてしまうのは、それだけ自分が

初演時より年を重ねたからだろうか。

正直な話、本作のジョンはちょっとわたし自身の性格に

似通っているところがあって、行動心理がわかる分

心が痛く切なくなってしまうところがあるんだけど

その分、スチュとアストリッドの言動への苛立ちは

初演より増した。だいぶ。

 

アストリッドって、この作品の中でだいぶ浮いてる存在だと

思うのは、わたしだけだろうか。

浮いてんなぁというのは、初演の時から感じていたのだけど、

それは演者が初舞台だったということに因るものだと

当時は思っていた。

 

だけど、再演を見て、初めてそれが演者に因るものだけではない

ということがわかった。そういう演出なんだきっと。

そう思うと、なんだか一気に受け入れられない存在になって、

わたしは作中のアストリッドを疎ましくさえ思ってしまった。

 

初演の夏子ちゃんはとても若くて、未熟で、背伸びしたような

アストリッドだったけど、あゆっちはそもそもビートルズ

年が近いこともあって、なんだか幼稚で痛い存在というか、

下手すればファムファタル的存在にまで思えてしまって

本当に見ているのがしんどかった。

けどこれ、あゆっちが悪いんじゃなくて演出と脚本なんだよな。

 

正直、アストリッドがあゆっちと聞いたときから

わたしのイメージには合わなかったんだよなあ。

ここまで書くとあゆっちをけちょんけちょんに言っている

ように思われてしまうかもしれないけど、

あゆっちが悪いと思う要素は何一つなくて。

初演を見ていなかったらあゆっちのせいにしていたかも

しれないけど、初演を見ていたからわかる。

演者は悪くない。

 

これだけ色々と書けるくらい印象に残っているのも

初演で大体のストーリーや流れを把握していて

余裕を持って観劇できたからこそ。

そもそもストーリー自体は単純なので、そこの考察に

エネルギーを割かなくてよいし、その分

人物を見ることに注力できたと思います。

 

スチュが初めてベースを弾くシーンとか、

高校時代に遊びでバンドをやっていた頃を思い出しました。

アンプにつないで、初めて音が出た時の感動とか、ね。

わたしが当時やっていたのはドラムでしたが、

ベースとかギターを弾きたくなりました。

まあ、わたし信じられないくらい手が小さいので

子供用とかじゃないとまともに音出せないと思いますが……

 

和樹さんのジョンはね。うん、和樹さんらしかったな。

和樹さんに執着の強い役をやらせると時に狂気をはらみますからね。

そこが面白いんですよ。(例:アンリ・デュプレ)

でもこの人がビートルズの中心人物なんだなというのが

一目でわかる存在感はさすがだなと思いました。

 

 

そうそう、わたしが観た回のうちのひとつは

アフタートークショーがあった回でした。

だいぶあとになって足されましたけど、なんだったんですかね?

しかも日曜日だったけど。

(こういうのって売れない平日にやりがちですよね?)

 

短い時間でしたけど、石丸さち子さんのトークが強烈で……笑

内容ほとんど入ってこなかったよw

あの調子でずっと稽古してるんだとしたら、

俳優さんたちまじすごいわ。

わたしあの20分足らずでももうおなかいっぱいw

でもあのくらい言葉も考えもぶわーーって出てくる感じじゃないと

演出家ってできないのかもな。

 

トークの合間にちょいちょい声が裏から聞こえてきて、

袖でキャストが聞いてるんだろうなとは思ってましたが、

トークショーが終わったあとに登壇したお三方を

ハイタッチで迎える手が袖から見えましてw

誰かなーと思ったら和樹さんだったみたいです。おもしろ。

 

待望の再演ももうすぐ千穐楽

記録媒体には残らないことが明言されていますので、

自らの記憶に残しておきたいと思います。