人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター 北斗の拳』感想3

 

死兆星の下で』のトキなんですが、

いつも大体一人で咳き込んでるか

物思いにふけっていることが多いんです。

でも大千穐楽のトキは、

途中でふと後ろのケンシロウを見て、

フッ…と優しい微笑みを浮かべてまた居直ったんです。

 

その微笑みが

ケンシロウ、きっとユリアのことを

 想っているんだろうな…」

というような表情で、

「お、お兄ちゃんーーー!!!!!泣」

となりました。

いやその表情は反則ですってトキさん。

 

 

さて、他のキャストの感想なんですが

ばーーーーっと書き上げたので

もう一気に載せちゃいます。長いですが

どうせ誰も読んでませんただの備忘録ですから!

 

いきます!

 

 


・大貫勇輔(ケンシロウ


誰もが言っていますが、この作品の主演を
シングルキャストで務め上げたのはすごい。
シングルにしたホリプロもすごいし、
引き受けて最後まで走り切った大貫さんはもっとすごい。

 

肉体的なことだけではなく、
この偉大な原作の初ミュージカル化の主演を
たった一人で背負う重圧は相当だったと思います。
幾多の困難がありながらも、世界初演のこの作品を
観客に届けようとする素晴らしいカンパニーを、
強靭な肉体とそのお人柄で引っ張り、駆け抜けた
大貫さんには最大の賛辞をお送りしたい。

 

千穐楽の『心の叫び』では、そんなことを
思いながら見ていたら、泣けて仕方なかったです。

 

正直、FNS歌謡祭の時点では
「お、お歌大丈夫か…?踊りの人だから仕方ないのか…?」
と心配になってしまいましたが、本番ではなんのその。
激しいアクションをしながら歌い上げるお姿に
大貫さんの陰の努力を感じました。

 

 

平原綾香/May’n(ユリア)


キャストが発表された時、平原さんは直感で
「あ、ユリアっぽいな~」って思いました。
実際見てみると、慈母の宿星を持つにふさわしい
オーラが出ていてさすがだなあと。
ただ、歌い出すと平原綾香になっちゃうのと
各所千秋楽でのコメントがマイワールドすぎるのが
玉に瑕といいますか(笑)

 

May’nさんは、正直ジャック・ザ・リッパー
グロリアがあんまりで…
グロリアはそもそも本当に難しい役だと思うので
演技経験のあまりない方には酷だったし、
本業が歌手なのに…と思ってしまうくらい
歌唱力もそんなに…で、当時は
「ミュージカル出始めの和樹さんも
 こんな風に思われてたんだろうか…」
みたいな生温かい気持ちになっていました。

 

今回のユリアは、原作がある分
答えが出しやすかったのか、無理なく
見られたような気がします。
意志の強さが感じられるユリアでした。

 

 

福井晶一/宮尾俊太郎ラオウ


ラオウの曲が一番テンション上がります。
『揺るぎない信念』のトランペットの音を
聴くだけでテンションぶち上がり。

 

蓋を開けてみれば踊らないラオウでしたので、
正直言ってしまえば歌が上手い福井さんに
軍配が上がってしまいます。
音で制圧するラオウでしたね。
福井さんのラオウは説得力が凄かった。

 

でも宮尾さんの情感こもったラオウも好き。
和樹さん、大貫さんともに共演経験が
何度もあって、年も近いからこそ、兄弟としての
リアルがそこにあったような気がしました。

 

 

・植原卓也/上田堪大(シン)


鬘の原作再現度すごかったな~あのハネ。笑
マントの翻し方が二人ともかっこよかった。

 

今回のミュージカルでは
南斗六聖拳のうちシンとレイ(とユリア)しか
出て来ないので、六聖拳という言い方はしません。
そして宿星というワードも出てきません。
ですが、上田さんが大千穐楽
「シンは愛に殉じた男です」と言っていて
中の人はずっとシンの宿星が「殉星」であることを
忘れずに演じてたんだなあと、改めて感じました。

 

その通り、二人ともユリアへの愛に生きた
シンを見事に演じていました。
「え、シン良いヤツじゃん…」とうっかり最後に
思ってしまうのも、二人の力あってこそ。

 

ラオウにつくという原作にはない展開で、
役作りに戸惑ったこともあったんでしょうが、
「植原卓也くんと二人でつくったと思っています」
という上田さんの言葉通り、二人の絆が
つくりだした今作のシンなのだと思います。

 

 

・伊礼彼方/上原理生(レイ/ジュウザ)


まさかの交互で役替わり。
でもどっちも観られてよかったので結果正解です
このキャスティング。

 

個人的には伊礼ジュウザ・上原レイの組み合わせが
好き。というかご本人たちの持ち味に合うのは
この組み合わせかな~と思います。
(伊礼さんはジュウザのアドリブが輝いていたし、
 中身が「ダントンそのもの」と和樹さんに言わしめた
 理生さんは義星が宿星のレイの方が合っている)

 

でも、伊礼レイもめっちゃ良かったんだよな~
最期、マミヤに抱きつかれて苦悶の表情を
浮かべるんだけど、声色には出さず優しく離して
「さあ行け」と送り出すところが…泣

 

上原ジュウザは、片割れがあんなにアドリブで
輝いているからさぞやりにくかったことでしょうw
お上品なジュウザでしたね。伊礼さんに比べると。

 

 

・松原凜子(マミヤ)


歌声第一声「畑を耕し 井戸を掘りましょう」で
すべて持ってかれる。笑
出てきた瞬間「マミヤだ!」って思いました。

 

レイにだんだん心を許していく様子も好きです。
死兆星の下で』の上手の4人が大好きでしたが
途中から松原さんがツイッターでその日の
レイとの会話をあげてくださるようになり、
よりあの場面が大好きになりました。

 

レイ亡きあとも、リンやバットたちと共に
新たな村でたくましく生きていくマミヤは
本当に美しい戦士でした。

 

 

・川口竜也(リュウケン


リュウケンから始まるあの幕開き、大好きです。
川口さんの確かな歌唱力あってこそ。

 

死後もラオウの夢の中に現れ導く存在。
ラオウはその導きにも反抗しますが…
まあ改めてとんでもないヤツを養子にして
しまいましたね、リュウケンさん(笑)

 

いつぞやの公演の何回目かのカーテンコールで、
後ろで一人で舞っていたのがツボでした。
中の人は至ってチャーミングで好きです。

 

 

白羽ゆり(トウ/トヨ)


1幕トヨで2幕トウ、というイメージですが
なんとオープニングはトウで出てるんですよね。
すさまじい化粧替え…
となみさんの現役時代は存じ上げませんが、
姫役者なイメージだったので、トヨのような役が
すごく新鮮でした。歌は言わずもがな。

 

 

・渡邉蒼(バット)


誰もが絶賛するバット。
バットのキャスティングは大分難航したらしいですが、
この子を見つけてきたホリプロをほめたたえたい。

 

弱冠17歳で、劇場の空気を支配し
たった一人で歌を一曲歌いきる。
誰にでもできることじゃないです。
そして誰がどう見たってバットだった。びっくりした。

 

愛知公演では色んなものが素晴らしすぎて
『暴力バンザイ』で泣きそうになりました。
渡邉蒼くん、これからの未来は明るい。

 

 

・山﨑玲奈/近藤華(リン)


誰がどう見たってリンだった。

 

ケーン!来ちゃダメーーー!!」
名シーンですよ。
きっと原作ファンの皆様も「おお!」と
思ったんじゃないですかね。
少なくともそこは読んで観に行ったニワカは
テンションがあがりました。「あのシーンだ!」と。

 

華ちゃんが東京公演の後半喉つぶしちゃったのが
惜しかったですが、ふたりとも歌も申し分なく。
『最後の真実』は素晴らしかったですね。
ショーストップに初めて遭遇しました。
この子たちの未来も明るい。