人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

ミュージカル「フランケンシュタイン」感想2

 

ミュージカル「フランケンシュタイン」を観ての

最大の誤算は、柿澤勇人さんにハマりかけていることです。

これ以上好きな俳優は増やしたくないのに!!

 

というわけで、中川晃教さんは「怪人と探偵」以来

二度目ましてでしたが、柿澤さんは初めましてで、

ビクターとジャックが良すぎて

ちょっと衝撃を受けたのでした…

 

 

わたし、フランケンシュタイン

中川×加藤

柿澤×加藤

柿澤×小西

中川×加藤

の順番で観ているんですが

 

中川×加藤を最初に観たときは

「あんまり二人に感情移入できないな…」

と感じたし、悲劇だとも思わなかった。

なんというか、二人ともサイコパスだから(笑)、

因果応報というか。

どう見てもあなた方が二人ともおかしいから

起きた物語じゃん?みたいな(笑)。

 

ところが、柿澤ビクターを観て「おや?」と。

このビクターは、両親の死さえなければ、

アンリと出会ってさえいなければ、

まっとうな人生を送っていたのでは…。

そう感じた上で観た柿澤×小西を観て

一番「これは悲劇だ…」と感じて号泣した。

 

総じて、中川ビクターは生まれながらのサイコパス

両親の死が無かったとしても、このような物語に

生きる運命を背負って生まれてきたような人。

そして誰より何より自分の欲望に抗えない人。

アンリとの絆が生まれてなお自分しか見えていない。

 

一方柿澤ビクターは両親の死がきっかけで

生命創造に大きく意志が傾いてしまった人。

そしてアンリと出会ってしまったがために

さらにアクセルを踏んでしまう。

基本的に「可哀想」な人。

 

柿澤ビクター、ギロチンにかけられたアンリの首を

持ってきたあと、愛おしそうに首に頬ずりするんですよ。

ウワァ…って思ったけど、柿澤ビクターは基本的に

中川ビクターより理性が残っているからこそ、

逆にグッとくるものがありました。

 

「アンリを死なせたくない」と

「アンリの首が欲しい」の気持ちの割合は

中川ビクターと柿澤ビクターで違う。

もちろん、中川ビクターの方が後者の割合が多い。

 

 

加藤アンリは、こちらもまた完全にイッちゃってる(笑)。

特に死ぬ間際。

ビクターのためなら何でもする!

何にも怖くない!って感じ。

 

ビクターが裁判で本当は自分が葬儀屋を殺したと言う場面、

加藤アンリは「なんてこと言うんだ…」って表情で

目を伏せてうつむくんですよ。

でも、市長の鶴の一声で自分の死刑が確定した瞬間、

ホッとしたように笑うんです。

「これでいいんだ」とでも言うように。

 

断頭台にのぼるときなんてまさしく

「アンリ・デュプレ、死にまーーす!!」って感じで

清々しく死んでいく。

よほどビクターと出会ったことが衝撃で、

ビクターのために死ねることに喜びを感じたんでしょう。

 

小西アンリはそれにくらべるととても冷静。

いつも静かにビクターを見守り支えてる。

ビクターに出会った衝撃を例えるなら

加藤アンリは雷に打たれた感じで、

小西アンリは重い石が落ちてきた感じ?笑

そして、冷静なだけに、すべてをわかり悟っている。

 

小西アンリは裁判中、ずっと無表情。

そして、「君の夢の中で」で

「このアンリは未来が見えてる。

 自分が死んだ暁にビクターが何をするかも、

 全部ぜんぶわかってる」

と感じられて、もうわたしは涙が止まらなかった(笑)

 

それなのにさ~~、最後の「夢の中で生きよう」の前

泣いて声が詰まるのが大変ずるい。笑

わたしは、「本当は死ぬのがとても怖いけど

歌詞の通り、勇気のなかった過去を消し去って

飛び込んでいくんだな」って感じられたのだけど、

Twitterとか見てると「本当は生きてビクターと

夢の続きを見たいと思ってる」が故の涙だと

感じる方が多いようですね。

「きっとビクターなら自分を蘇らせてくれる」とも

思っているかもしれない。

 

加藤アンリはさ、もう最後の「夢の中で生きよう」は

本当に夢の中で生きる気満々の表情してるからさ(笑)、

全然違ったアンリでとても面白かったです。

感情移入というか、共感できる人が多いのは

小西アンリだと思うし、でも加藤アンリはなんとなく

「和樹さんがつくるアンリらしいな」とも思えて。

 

4回観て、3回は「君の夢の中で」でもれなく

号泣していたんですが、3回目小西アンリ観ちゃうと

加藤アンリって超幸せ者だよね、とか思っちゃって

4回目加藤アンリがあんまりにも幸せそうに

死にに行くもんだから逆にほほえましく思って

涙が一滴も出ませんでした(笑)。

あんた、この作品で一番幸せだよ。←