人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

花組「A Fairy Tale」感想1

 

「青い薔薇の精」は、「ハンナのお花屋さん」を

やるときに、植田先生が本当は明日海さんに

あてたかった役柄だといいます。

 

植田先生からすれば、やりたかったことを

滑り込みで実現できて、さぞ幸せでしょう。

 

 

でも、だからなんですね。

ハンナのお花屋さんと国も同じなら

植物を題材にするのも同じ。

既視感が満載なんです。

「なんか同じようなの、前も見た…」と。

 

 

確かに植田先生のつくる世界観は美しいです。

舞台装置とかも美しい。

「愛と革命の詩」とかも好きですし。

ただ、「ハンナのお花屋さん」とあまりにも

被っているから、

「これ、大劇場でやる必要ありました?」

と思ってしまいました。

 

 

そしてわたしが一番苦しめられたのは

そのメッセージ性の重さ。

わたしがこの作品を見ての第一印象は

「時は金なり時は金なりうるせぇ!」

です、はい…。

 

ハンナのお花屋さんのときもそうだった

んですが、作品を通して訴えかけてくる

ものがとてつもなく重いんですよね。

悪い言い方をすると、押しつけがましい。

見るとどっと疲れてしまう。

 

だから、明日海さんを見たくて何回も

観劇したけど、見る度心が沈むというか…

もう、当分いいかな、みたいな(笑)

 

以下、登場人物ごとに。

 

 

エリュ(明日海りお)

 

常に人間に対して上から目線だった

エリュが、だんだんと周りの人間に

感化されていく様を自然な流れで

表現しているのは、さすがの演技力。

 

他の精霊たちに向けるまなざしが

あたたかかったのが印象的。

まんま明日海さんが組子に向ける

まなざしのようで。

精霊たちのことを信頼しているんだね。

 

ほとんど同じ衣装だったのが惜しいなあ…

青く染まりかけ、青、白、の3着?

まあこんなもんか…でもほとんどの時間

同じ服着てるから、もったいないなあって。

 

この物語、極端に切り取ると

エリュとシャーロット、エリュとハーヴィー

この関係性を描く物語で、

シャーロットとハーヴィーは人間で、

結局エリュは忘却の粉をふりかけて

2人の前から姿を消す。

 

それを見ていると…トップスターは結局

ずっと孤独なもので、

明日海さんは孤独なままたった一人で

宝塚を去っていくんだなあと

実感させられました。

その孤独さが切なくて、苦しくて、

明日海さんはその孤独の中でずっと

闘ってきたんだと思わずにはいられなかった。

 

その最後。

白いお衣裳で、スモークと光あふれる中

セリ上がっていくエリュ…

 

……トート閣下だった(´-ω-`)

その光景見たことありますぅ

 

 

シャーロット(華優希)

 

まあ、ゆきちゃんにはできない役だなあ。

あの愛らしさは華ちゃんの天性の魅力です。

 

7歳のときのシャーロットの声が

甲高くて耳に障って…

あれはもうどうしようもないのかなあ。

逆に大人になってからの声やお芝居は

とても良かった。特におばあちゃん(笑)

ヒロインがあそこまで年老いた役を

やるのも珍しいけど、上手だった。

 

シャーロットの人物像が若干

はいからさんが通る」の紅緒と

かぶってるんですよね。

だからこれもとても既視感が強い。

女性が自分の意志で生きることが

難しい時代に、自分で働いてお金を

稼ぎたいと強く思う女性…

うん、見たことあります。

 

 

ハーヴィー(柚香光)

 

コメディっぽい場面、上手ですよね(笑)

明日も霧ですと言われた時の表情(笑)

 

れいちゃんもまた繊細なお芝居が

できる人なので、エリュとだんだんと

心を通わせていく様子がとても良かった。

エリュが一番直接会話をする人なので。

 

子供の頃のハーヴィーとニックが直接

話す場面とかあっても良かったのになあ。

 

 

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