※5月17日追記※
こちらの記事は3月19日ソワレの宝塚大劇場公演を観劇した時の感想です。
5月15日に東京宝塚劇場公演を観ての感想も書きましたので、そちらもよろしければどうぞ。
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1ヶ月超も放置してしまいました。
その間にも宝塚ではたくさんの動きがあり、そのたびにブログ書きたいと思いつつ、やっぱブログ書くなら落ち着いた時にしっかり書きたいと思うとなかなか更新できず…
そうこうしている間に、タイトルのとおり、「カリスタの海に抱かれて/宝塚幻想曲」を観劇してきました。
そう、大劇場デビューしたんです!
舞台の感想や思うところを、記憶の色褪せないうちに書き留めておきたいと思います。まずはお芝居から。
あ、ネタバレありです。
わたしが映像も含め、今まで観た2本立てのお芝居の数などとても少ないものですが、大半の作品に、どこかしらで「ん?」と思ってしまうような場面があります。
大体は、登場人物の心情や行動の変化の突然の変わりように戸惑う、というものです。
そして今回も。
1時間20分では、心情の自然な流れを作り出すことは不可能なんでしょうか。
演者にも問題があるのかもしれませんが、あまりに複数の作品でこのような違和感があるので、演出や脚本にも問題があるのだと思います。
カリスタ島に新しく赴任したフランスの司令官シャルル(カリスタ名:カルロ)は、カリスタに生まれながらもある事情によりフランスで育ち、20年ぶりにカリスタ島へ戻ってきます。
そこでカルロは、島の女アリシアと出会い惹かれあうのですが、アリシアがカルロの幼馴染ロベルトの許嫁だと知った途端、アリシアの愛を激しく拒絶します。だってカルロにとってロベルトは、裏切り者の息子だといじめられていたカルロに唯一優しく接してくれた大切な友人だから。
フランスの司令官でありながら、故郷カリスタの独立を密かに夢見ていたカルロは、独立運動のリーダー・ロベルトにカリスタは必ず独立できると説得するが、カルロの立場上信用しようとはしないロベルト。しかしアリシアの説得やカルロの必死の行動によってロベルトの気持ちは動いていきます。
ロベルトもまた、許嫁であるアリシアを深く愛していたけど、アリシアは一向に振り向いてくれない。相棒でアリシアの兄セルジオに、「カルロを殺せばアリシアはおまえのものになる」と唆されるけど、カルロの思いが通じたのか、ロベルトは謀反で逮捕されたカルロを見殺しにするどころか処刑寸前のところをファインプレーで救出!友情はほんものだ!ばんざーい!
しかし、カルロはロベルトに礼を述べたのも束の間、アリシアにいきなり告白を始め、アリシアもカルロが好きだとか言う。ロベルトの真ん前で。
そしてカルロとアリシアは島を出ていき、ロベルトはひとり独立を果たしたカリスタで統治者になるのだった…
めでたしめでた……し????
結末急展開ですよ。この終盤になっての「エーーーー!!!」感、なんだか「ラスト・タイクーン」に似てます。
最後、カルロがいきなりアリシアへ告白するのに”突然感”を感じるのは、アリシアへの愛を拒絶する場面からラストまでの間に、「やっぱり友情よりも愛を取りたい!」という気持ちに変化する場面が一切ないからだと思います。
まあ「やっぱりおまえだ!」みたいな感じで、あのあと考え直したんだけど風な雰囲気を漂わせていますが、あれだけ激しくアリシアを拒絶して、ロベルトは誰よりも大切な存在なんだアピールしてたのに、そんな簡単に変わるものなのかい?と思うのです。
実際、アリシアはカルロの強い思いを汲んで、カルロを信じきれないロベルトに「カルロは誰よりもあんたとカリスタを愛してるんだ」って説得してるわけだし、その言葉もロベルトにとってカルロを信じる一因になっただろうに。
ロベルトにしてみれば、愛するアリシアの言葉だから信じて、カルロも信じて、そして必死の思いでカルロを救ったのに、待っていたのは幼馴染による許嫁の略奪ですよ(笑)ひょえ~~~
ハッピーエンドだという感想も目にしましたが、ハッピーエンドなのはカルロとアリシアだけです(笑)島の皆を引っ掻き回した挙句ふたりでどっか行っちゃうんだもん(笑)「これからどこ行く~♡?」「あんたと一緒ならどこへでも♡」みたいなこと言いながら(笑)
ロベルトは最後、島の英雄アルドの墓の前で、独立したカリスタを統治していく熱い気持ちをみなぎらせているようなシーンで終わりますが、うーんなんとも。信じた幼馴染に許嫁を奪われ、困難続きだった独立運動の中にあって、ただひとつの心の支えだった許嫁はどっかへ行ってしまった。
公演プログラムの石田先生のコメントによると、最後のロベルトは「「愛」を捨て、冷徹な統治者へと「成長」する男の姿」なんだそうですが、わたしにはあのシーンだけでは「成長」だとは感じられませんでした。ロベルトが「愛を捨てた」とも感じなかった。だってアリシアへの愛を自ら捨てたようには見えなかったもん。許嫁は他の男について島を出て行ったけど、自分は初代大統領という役目があるから島を出て追いかけるわけにもいかない。「諦めざるを得なかった」ようにしか見えなかったなあ。
……というようなもやもやはありますが、もしかしたらこれは観劇を重ねるごとに感じ方も変わってくるとかそういうやつ?←
東京で何回見られるかわからないし、そもそもそんな頻繁に東京には行けないのでなんとも。でも東京でも1回は見たい。
以下雑感。
・明日海さんの、何をやってもにじみ出てしまう底知れぬ童貞感は今回も健在でございました。今回はそもそも恋に奥手な感じのキャラクターでしたが、やっぱり明日海さん自らが出すものもあるんだと思います(笑)
・やっぱりキキちゃん歌うまくなってると思います!アーネストの時も思いましたが、そのあと「Mr.Swing!」の頃の映像なんかも見て、全然違うと感じました。格段に成長してる!若いけど、頼もしい花組二番手です。
・花乃ちゃんも歌える方なので、メイン3人が聴いてて何も苦じゃないのがとても安心です。正直に書いてしまうと、この間宙組公演「The Wild Meets the Wild」の映像を見て、主役2人のお歌があまりにも聞き苦しくて途中で見るのをやめてしまったということがありまして…。いくら花組が好きでも歌が聴けなかったらあまり見に行きたくはならないので。
・…と、歌に関しては心配いらない、というような感想を書いておいてなんですが、柚香さんのお歌はまだまだダメです(笑)いや頑張ってるんだけどさ、声がオケに負けちゃってるんだよぅ。
・最近れいちゃんについて思っているのが、「まだ男役としての声ができていない」ということです。どうやら地声が低い方なので、そのままの声で演技も歌もやっているよう。でも、地声は低いけどたぶん音域が狭い。から、男役に必要なくらいの低い音程は出せない。今回も歌の最後ぶっつんぶっつん切ってて、「あー苦しくてでないんだろうな~」とか思っちゃいました。
・でも今回、柚香ナポレオンの歌が少なかったからなんとかなった。
・物語におけるナポレオンは、思い返してみると大事な場面に出てはいるんだけど、ほとんどは「特別出演:ナポレオン・ボナパルト」って感じ(笑)ユーモア溢れるキャラクターで、これから大物になる予感がするキャラクターにはなっているので、この作品におけるナポレオンの形としては間違っていないんじゃないかと思います。
・上記のとおり、アリシアはロベルトにまったく振り向かないわけですが、それに対するロベルトの辛い気持ちがキキちゃんの演技から痛いほど伝わってきました。ロベルトに感情移入して同情してしまうくらいにアリシアはまったくロベルトに好意を寄せないし、フラれまくって傷つくロベルトの表情も見てて辛くなるほどでした。キキちゃんに拍手。
・ロベルトの取り巻きたちが何人かいるんですけど、マイティーと和海さんがとても似てます。何回も見間違えました(笑)もともと2人とも鼻が高くて面長な顔立ちなので、そこにさらに似たようなメイクだとほんとそっくりです。この2人、「エリザベート」では揃って黒天使でしたが、見た方は間違えなかったのでしょうか。笑
・取り巻きたちの中でも瑠那ちゃんが格段にセリフ多くて目立ってました。よかったね!
・逆にその他の人たちのセリフがびっくりするくらいありませんでした。マイティーなんて新公主演なのに本公演ほぼモブキャラですよ。
・脚本の大石先生が「男役が足りないと言われるくらいたくさん男役の役をつくった」とどこかで(たぶん公式の特設ページかな)おっしゃっていましたが、まあ役は多いかもしれないけどただ名前つけましたってだけの役が多い。名前いらない役たくさんあるもん(爆)。
・美伶ちゃん演じるシモーヌは途中で妊娠するんですけど、相手がまよ(鳳真由)です。Pちゃんです。なんか。なんかなんか。しっくりこない(爆)。
・アーネストに引き続き、ならいさん(夕霧らい)くみさん(芽吹幸奈)ペアですが、ほんと一瞬です(笑)わたし結構らいさんが好きなのですが、あとで「あれ、らいさんってどこに出てたっけ………あ、あそこか」っていうくらいに一瞬です(笑)あああんなお似合いな夫婦なのにもったいない。設定上しかたないんですけど。
・そして娘役の役も少ない。まああれ以上増えてもって感じだけど。新公ヒロイン経験者がまるでみつからない。まともに役がついていたのは、花乃ちゃん、美伶ちゃん、ゆきちゃん、きらりさん、美穂さん、じゅりあさん、くらい。まあ娘役ってこんなもんなのかな。2本立てだしね。べーちゃん(桜咲彩花)は1場面わかったけど、他は全然。
・ちなつさん(鳳月杏)、かっこよかったです。明日海さんシャルルに従順な副官。下級生時代から知ってるからこそにじみ出る信頼関係が根底にあるような気がしました。ふたりにぴったりな間柄の役だと思います。
・シャルルのほかにちなつさんとよく絡むもうひとりの人物がたそ(天真みちる)。同期で仲いいんですよね。二人のシーンで笑いもあって、見ていて微笑ましかったです。
・少年カルロと少年ロベルトが友情の印に腕に傷を刻むシーン、刻み方が結構ザックリで(笑)、見ててヒイィってなってしまいました(笑)絶対大量出血だよあれ。
こんな感じです。ああ長い(笑)
次はショーの感想書きますね。