人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

ミュージカル『るろうに剣心』について感じたこと。

 

北斗の拳フィーバーにどっぷり浸かり、

千穐楽後のロスに沈んでいた頃。

2年前にコロナ禍のため上演中止になった

るろうに剣心』が満を持して

上演されるという発表がありました。

 

…そして、それに我が推し・加藤和樹さんが

ご出演なさると発表されました。

 

 

「また原作モノ……!!!(白目)」

しかもまた長編だし…

 

「コロナ禍で上演延期となった作品に、

 あとから参加する」

というパターンは近頃しばしば耳にしていたけど、

まさか和樹さんがそうなるとは思ってませんでした。

 

しかも、本来予定されていた比古清十郎役は

今回斎藤一役の山口馬木也さん。

わざわざスライドさせて、和樹さんが

比古清十郎役におさまったというのです。

 

クレジットは、プリンシパルの1番最後。

「実質二番手」によく使われる

ある意味とても光栄な位置。

メイン画像も志々雄とシンメで同じサイズ。

 

でも、調べてみると原作での比古の出番って

めちゃくちゃ少ない。

少ないのに、その位置?

 

……なんだか、いろんな忖度を感じる。複雑。

それが情報解禁に接した第一印象でした。

 

 

蓋を開けてみれば、和樹さんの比古は

めちゃくちゃかっこよかったし、

原作にそっくりだし、惚れました。笑

やっぱ和樹さんサイコーだなって思いました。

原作の比古も大好きになりました。

 

ただ、それとは別に、

「わざわざ配役をスライドさせた

 意味ってなんだったのかなー」

とは思いました。

和樹さん、きっと斎藤一をやっても

ハマったと思うので。

 

でも馬木也さんの斎藤一

めちゃくちゃかっこよかったです。

出てきた瞬間「うわぁ…」ってなりました。

かっこよすぎて。

 

まああと、今思えば比古って

43歳だけど、年齢聞いて操と弥彦が

ぎゃんぎゃん騒ぐくらい(笑)

見た目が若いという設定の役なので、

今の年齢の和樹さんにそれこそぴったりの

役だったのかもしれません。

 

 

さて。

 

作品やキャストの感想は

また別記事に書きますが、

今回観劇して痛感したのが

 

……客席ガラガラじゃん…

ということでして。

 

そもそも、チケット発券した時点で

「こんなことある…?」ってくらい全部良席で。

ここで嫌な予感はしたんですよね。

 

で、いざ行ってみたらびっくりするくらい

席が埋まってなかった。

前半分のセンブロと、前数列のサイドしか

お客さんがいない。後方はほぼ全部空席。

ここ数年の和樹さんの出演舞台であそこまで

席が埋まってないのはないんじゃないかってくらい。

 

まあ『BARNUM』の時も

「収容率50%とはいえ…」という感じでしたが

あれはまだ今よりも世間がコロナに敏感な時期。

今の時期で、もちろん収容率100%で、

こんなにもチケットが捌けてないのは

やばくないか?

 

で、なんでかなって考えたんですけど、

多分根本的な理由は

「ミュージカルが好きな人」

「原作が好きな人」の両方ともに

刺さっていないからではないかなと。

 

今回のキャストには初舞台という人もいるし、

グランドミュージカルで活躍している人は

正直多くありません。

だから、「ミュージカルを観るのが好き」な層が

「あら、見てみようかしら」とはなりにくい。

 

それから、るろうに剣心自体、

ミュージカル化は3回目。

いくら京都編は初めてです!って言ったって

それにつられて来る原作ファンが

実際どのくらいいるか。

 

最初の雪組公演こそ、

るろ剣、舞台化するのか。

 観に行ってみるか」

という人は結構いたでしょうが、

そういう人はキャストが変わろうと

やるエピソードが変わろうと

1回見れば十分な人が多いと思うんです。

ましてこれ少年漫画ですしね。

 

そういった要因がある上、

さらにチケットが高い。

場所もアクセスが悪い。(他主要劇場比)

と来ちゃあ、まあ今回の売れ行きは

さもありなんと言わざるを得ません。

 

だって結局そんな条件でも来る客って

我々のような「キャストのファン」くらいなので。

そしてある程度のチケットを捌ける、

それなりの人数のファンを持つキャストが

今回何人いたか…。(小声)

 

 

直近で、北斗の拳が事前評判や幕開けからも

しばらくはあやしかったものの

最後には成功を収めたのって

・初演

・キャスティングが結構本気

 (ミュージカル界的に)

・ワイルドホーン作曲

という要因がベース(あくまでベース*1)にあったからで。

 

正直、この客席を舞台から見ている

キャストの皆さんの気持ちを思うと本当に

居たたまれないくらい空席が多いんですが、

これが現実なんだろうなと思います。

 

千穐楽ライブ配信もありますし、

アーカイブ期間も長めに設定されているので、

ちょっとでも興味ある方は

ぜひそちらを見ていただきたいなと…

もちろん劇場に行っていただくのが一番ですが。

 

 

 

*1:最初はそれでも厳しかった。だけどキャスト・スタッフの熱意が本当にすごかったのと、リピーターが増えたこと、原作ファン・ミュージカルファン問わず口コミで評判がどんどん広まったことが、最終的な成功要因だったと個人的には思う。