人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

東宝版「1789」感想2

 

今でも、幕開きに流れる、弦楽器で奏でられる

壮大な「悲しみの報い」のメロディーを思い出すと、

1789という作品に詰まった歴史とエネルギーが

すぐに蘇ってきます。

 

舞台に現れるフランス・ボース地方の貧しい農村。

そこに客席通路から登場し乗り込んでいく

銃を抱えた兵士とペイロール伯爵…

 

ロナンの物語はここから始まる。

すべてはこの、ペイロールに父親を殺された

この場面から。

 

ここからロナンが亡くなるまでの期間は約1年。

この1年間が、2時間半の舞台に詰まっている。

 

ロナンと、共にフランス革命を戦った人々の

エネルギーに満ちた1年間を、3回も観られて

本当に良かったなと思います。

 

帝劇で加藤和樹・夢咲ねねのコンビを観たので、

博多座では小池徹平・神田沙也加のコンビだけ

観ようと思っていたのですが、

博多の酷暑に耐えられなかった

(外を歩いて観光しようとは思えなかった)のと、

チケットがまだ買えたので、思い切って

1日でマチソワすることにしたのです。

まったく後悔していません!!

 

1789って、観た後ちょっと疲れるんです。

舞台から放たれるエネルギーがすごくて。

毎日必死であんな革命を起こしている

キャストの皆さんには頭が上がりません。

「必死に毎日を生きている」のがひしひしと

伝わってくるんです。

 

そこには当時のフランスのリアルが詰まっている

ような気がして。当然実際には知らないけれど、

ロナンが復讐と現状打破のためにパリへ出てから

バスティーユで死ぬまでの物語ではあるけれど、

同時にパリや宮廷の人々の日常を見ているような

感覚になるんですよね。

 

そして、「バスティーユの恋人たち」という副題の通り、

その時代に生きた人々の恋の物語でもあります。

何組ものカップルの恋が描かれているわけです。

ほんと、目が足りないんです、サイラの場面とか(笑)

それぞれにそれぞれの物語があるから。

 

ロナンとオランプが恋に落ちた瞬間って、

結構疑問に思う人も多いと思うし

曖昧なところだと思うんですが、

やっぱりきっかけは、監獄から脱出する時に、

ロナンがオランプを引き揚げたはずみで

顔が近づいた瞬間だと思うんですよね。

そこの間というか、二人の空気感が

どちらのコンビもとても良かったです。

 

そこから、ロナンがキスとかしちゃうから(笑)、

オランプにとってはそれが初めての経験で、

そのことで頭がいっぱいになってしまって

気付いたらロナンを好きになっているという

感じなんだと思います。

 

登場人物ごとの感想については次回。