人はこうして沼に溺れる。

沼に堕ちていく哀れなオタクの姿を晒すブログ。明日海りおさんをきっかけに宝塚歌劇を観るようになり、今は再演1789をきっかけに堕ちた加藤和樹さんの沼から抜け出せない日々を送っています。

美弥ちゃんの休演

 

美弥ちゃんが、「エリザベート」を休演しています。

なんでも、その前日から歌が吹き替えになっていたとか。

 

わたしがファンになってから、一番大きな休演は

幕末太陽傳」の咲ちゃん(当時3番手)だった

ような気がします。

あとは人数の多さという点では「るろうに剣心」。

 

しかしそれを上回る2番手の休演。

しかも「エリザベート」で。

 

基本的に主演付近のスターが休演した時の代役は

繰り上がりだと聞きます。

だから3番手のれいこちゃんがフランツの代役に。

そして本来ならばルキーニの代役は

ありちゃんだったのでは?

だけど急なことだったので、ひとまず新人公演で

ルキーニをやっているおだちんが代役に。

ありちゃんは元々ルドルフやっているわけですから、

負担が大きいキャストが最小限で済むんですね。

 

だけどこれ、美弥ちゃんの休演が長引くなら

ルキーニの代役は途中で代わるんじゃないかなあ。

数日なのであればこのままでいくと思うけど。

「新源氏物語」でべーちゃんが休演した時も、

当初うららちゃんが2役やってカバーしていたけど

途中で音くりちゃんに代わっていたし。

まあ全部憶測に過ぎないので、確実なことは

わかりませんけれど。

 

休演の発表は当日の朝でも、組子は前日から薄々

わかっていて、特にれいこちゃんとおだちんには

代役の可能性があることが伝わっていたんだろうなあ。

ほとんど寝ずにセリフとか覚えたんだろうなあ。

その苦労と、美弥ちゃんの心情を思うと、とても

つらい気持ちになりますね。

 

美弥ちゃんが完全復帰するまで、事故等なく

月組の皆さんが務められることを願ってやみません。

 

 

東宝版「1789」感想7

 

マリー・アントワネット凰稀かなめ龍真咲

 

宝塚版を観た時から

「この作品は本物の男性がやるのを見たい」

と感じていたり、特段月組ファンでもないので

わたしは「1789」という作品に関しては

完全に東宝版の方が好きです。

 

…が、ただ一人、アントワネットだけは、

わたしは宝塚版の方が好きだった。

つまりちゃぴのアントワネットが好き。

 

花總さんのアントワネットは見ていないので

ほかの3人での比較になってしまうけれど、

やっぱりちゃぴのアントワネットは素晴らしい。

心情の変化の表現がずば抜けていた。

 

オランプとかと違って、そんなに出番に違いは

無いはずなんだけど、なんか遊ぶだけ遊んで

あっという間に「神様の裁き」になる感じ。

物語としては、ルイ・ジョセフの死がきっかけで

自らの過ちを悔いるようになるんだけど、

なんでだろう、感情の流れがスムーズには

感じられなかった。

 

今回の二人のマリーの感想は、

前半は龍マリー、後半はかなめマリーが良い。笑

完全に二人の持ち味の違いですよね。

やっぱり自家発電タイプの龍マリーは

遊びほうけている前半の方が活き活きしてるし

儚さが魅力のかなめマリーは後半の方に

その魅力が活きてくる。

歌唱力はやっぱり龍マリーが上でしたね。

でもぶりっ子声の使い方はかなめマリーが上(笑)

「陛下、ネッケルが」の声が可愛すぎた(笑)

 

仮面舞踏会で陛下がギロチンを見せるところ、

龍マリーはぶりっ子で「悪趣味だわ~(´Д`)!」

って感じなんですけど、かなめマリーは

「うっわ、まじ悪趣味(-_-)って顔するの(笑)

その違いがおもしろかったなあ。

でも最後にはギロチンを囲んで陛下と

穏やかなひとときを過ごすんですよね。

「見よ。これで人は苦しまずに死ねる」と

言われたときの「まあ…」の言い方も

その時々でとても繊細に異なっていて

すごく好きなポイントです。

 

 

どちらのマリーも、フェルゼンや陛下から

公私ともに(笑)愛されているのがわかって、

舞台期間中はSNSでも楽しませてもらいました。

特に陛下の増澤ノゾムさんは、とっても

ユーモアに溢れた方で、二人の「母ちゃん」を

愛している様子がツイッターから伝わって

日々楽しませていただきました。

そのお人柄の良さがそのまま舞台上で

陛下として現れているようで。

 

フェルゼン役の広瀬友祐さんは、

その長身に軍服がよく映えて、高貴でした。

アントワネットへの愛がね、重すぎてね(笑)

アントワネットしか女知らないんじゃない?

ってくらいに感じました。ほんとに。

でも本気なんだなって感じました。

そして1789界隈(狭い)での今年の

流行語大賞には、確実に「かたじけない」

ノミネートされることでしょう。笑

 

 

東宝版「1789」感想6

 

ソレーヌ・マズリエ(ソニン

 

宝塚版と東宝版で大きく印象が変わる登場人物。

どうしても男役の出番を多くせざるを得ない宝塚で

1789を上演するにあたって、一番割を食った人。

 

ロナンの妹であり、パリに来てからは

革命の考え方に触れながら、ダントンと愛し合う。

見た目も、考え方も、それに伴う行動も、

劇中の2時間半で大きく変わっていく。

 

ソニンさんが初演の時に書いたブログを読んで

初めて気づいたんですけど、ソレーヌがいなくても

1789の物語って成立するんです。

ソレーヌがいなくてもロナンは革命に身を投じるし

それはダントンもそうだし、パン屋襲撃の場面が

なかったとしても、物語はバスティーユ襲撃

7月14日に向かって進んでいく。

 

それなのに、「別にソレーヌいなくてもいいじゃん」と

ならないのは、彼女が当時の民衆を体現するような

人物としてしっかり存在感を出していたから。

場面場面でソレーヌの感情や今の状況を

しっかり描き出していた演出と、

ソニンさんの演技力あってこその存在感だったと思う。

「世界を我が手に」のあとの観客の拍手は、

いつ見ても劇中で一番大きかった。

 

マズリエ家って基本的に血の気が多いんだけど(笑)、

でもボースにいる頃のソレーヌは弱弱しかった。

パリに行ったのも、彼女自身の行動力というよりは

父に死なれ兄に置いていかれた絶望ゆえというか、

ボースにいても何もできないし、生きるために仕方なく。

 

「夜のプリンセス」では、彼女の絶望と諦めと孤独が

強く感じられた。

この曲を歌っている間、ロナンがずっと舞台上にいた

宝塚版と違って、東宝版はロナンが途中で捌けるけど、

それでもこれは自分の現実を兄へまざまざと見せつける

曲になっていると思う。

 

ダントンへの思いも、最初は娼婦として付き合っている感が

あったし、「彼らの言う理想の世の中なんて絵空事よ」と

言っているけど、だんだん本当のカップルになっていく。

ほんとに、ソレーヌの彼氏なんてダントン並みに強くて、

包容力があって、ヘタレにもなれる(笑)人じゃないと

つとまらないと思う(笑)。

きっとソレーヌはダントンの熱さと芯の強さに惚れたんだな。

わたしはこのカップルが好きなので、

サイラどころかその前のシーンから二人を

オペラグラスで追い続けていました(笑)。

二人でずっといちゃいちゃしてるんだ~~カワイイ。

 

パン屋襲撃のところも、ソレーヌ頑固だから、

納得してパン屋と仲直りするまではダントンも

険しい顔してるし強い口調なんだけど、

終わった途端ソレーヌが泣きそうな顔になって、

それを見たダントンも優しい顔で背中よしよし

しながら捌けていくんですよ~~~~~

あー、ダンソレ尊い

 

そういえばかーくん(加藤和樹)はブログで

「ダントンはソレーヌのこともあるから

 他の革命家とは違った感情で接していた」

というようなことを書いていましたが、

いいですね、妹の彼氏を見て動揺するロナン(笑)。

今思うと、ロナンとソレーヌがパレ・ロワイヤルで

再会する場面、ロナンはソレーヌが娼婦に

なっていたこともだけど、彼氏ができていた

(しかも自分の知っているひと)ことにも結構

ショック受けてたんだなって(笑)。

そういう関係性の一つ一つが、今思い出しても

とっても愛おしいです。

 

 

花組「MESSIAH」感想2

 

今回の四郎のビジュアル、とてもイケメン。

同じ日本物で長髪なのに、タケヒコよりも

ずっとかっこよく見える。物語のおかげ?

浜に打ち上げられたばかりで、髪がボサボサの

四郎もまたかっこいいんですよねえ。笑

 

ただね、今回の明日海さん、滑舌やばい(笑)

カリスタの時並みだったかもしれない。

「明日海さんの体調は滑舌に現れる」

と前々から思っているので、もしかして

明日海さん体調悪いの…?と心配しましたが、

結構四郎はまくしたてるように話す台詞が

多いので、ただ単に苦手なだけかもしれない。

なんかしょっちゅう噛んでた。頑張ってほしい。

 

明日海さんのビジュアルが良い、といえば、

益田家が美人揃い(笑)。

美伶ちゃんとひっとんとか、美人姉妹だわー。

そこに明日海さんが加わるとか、最強ですね。

 

四郎が天草の人々と心を通わせていく様子とか

一揆を起こすまでの流れなどはよく描けているけど、

恋愛的な描写は今回微妙だったように思う。

まあ宝塚あるあるなんですけど、四郎が流雨に

初めて会った直後に、銀橋で惚れたソングを

歌い出すところとか(笑)突然すぎる!

 

リノと流雨に関しても、実際に流雨をモデルに

絵を描いている最中のシーンがないから、

二人がどういう関係なのかわかりづらい。

両思いなのか片思いなのかもわかりづらい。

というか、流雨の心理描写が少ないんだよな。

あれよあれよと四郎と両思いになってる(笑)

 

でもリノと四郎が、複雑な思いを抱えながらも

次第に心を通わせていく様子はとても良かった。

最後リノを逃がすシーンとかね。泣ける。

四郎はこの後の結末を全て覚悟していたんだなあ。

そして鈴木まじナイスプレー(笑)

 

今回丁寧なものとお粗末なものがはっきりしている。

てかね、残念ながら、殺陣がぬるい!!

ダンスで魅せるのもいいんだけど、本当の殺陣も

なんかぬるい。振付のせい?だよねたぶん。

まあぬるくても感動しちゃうんだけどさ。

見る度に「ぬるい!!」って一度集中力きれちゃう。

 

でもラストのはらいその場面は好き。

すべてが救われた感じがして。宝塚らしいし。

みんなはらいそに行けて良かったね…!ってなる。

 

 

キャストで他に良いなあと思ったのは、

ほってぃの長一郎。

観客目線を保ってくれていい味出してる。

劇中での役割が一貫しているから、言う台詞も

終始そんなに変わらないんだけど、観たあとに

結構印象に残った。

あすかちゃんに押されてるけど、一回くらい

新公主演できたらいいなあ。

 

あとは、ちなつさん(笑)

あの「年貢!米!力!希望!」がすごく耳に残るw

ほんとにどうしようもない悪役ですね。

最後に論破されるので見ている方は気持ちいい(笑)。

 

それからマイティね、あの、マイティは

ちっとも悪くないんだけど、リノと話す時に

「ただし一つ条件がある」って言って

「改宗すること」「四郎の首を取ること」

って二つ提示してるの、いっつも心の中で

「いや一つじゃないじゃんwww」って

つっこんでしまいます。笑っちゃうw

 

 

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東宝版「1789」感想5

 

マクシミリアン・ロベスピエール三浦涼介

ジョルジュ・ジャック・ダントン(上原理生)

カミーユ・デムーラン(渡辺大輔)

 

 

宝塚ファンはじめ、ミュージカル界隈では(?)

言わずと知れた、実在の革命家三人衆。

東宝版1789での彼らは、宝塚版以上に、

何かと、地雷を踏みます。笑

 

わたしがロナンだったらピキッとくるような

台詞をちょいちょい言うのです。

以前にも書いた、「君も新聞を読むのかい?」とか。

「おぉ~農民よ!」とか

「とりあえず字は読めるようだし!」とか

「さぞ辛かったろう、同情するよ」とか。

平民とはいえ、プチブルジョア

裕福な家の息子たち。

無意識に、自分より下層の平民を

悪意なく見下しているのです。

それが残酷なほどに表現されています。

 

物語が進むにつれ、そういった発言は消えていきます。

そして、だんだんと革命に向かって一つになっていく。

それまでに、ロナンには様々な葛藤があるけれど、

悩んだ末に合流したロナンを、3人は心から受け入れる。

そして本当の「革命の兄弟」になっていく…

 

実際の3人の年齢は、上から

ロベスピエール、ダントン、デムーラン。

だし、演じている方々も、劇中での3人をそういう

順番で見ているっぽい。インタビュー読むと。

でもわたしはデムーランが長男で

ロベスピエールが末っ子に見えたなあ。

ダントンが次男なのは、なんかわかるわ(笑)。

 

演じている大輔さんが2人より年上というのも

あるだろうし、(理生さんとりょんりょんは同い年)

りょんりょんの見た目が若いのもあると思う。

 

でも基本、デムーランっておとなしいんだよね。

周りを見つつ、しっかりしなきゃとも思うし、

でも自由に行動を起こす年下が羨ましかったり…

というような感じが長男っぽいんですよ。

まあ、デムーランはジャーナリストだから、

文章で感情や考えを示す人なんでしょうね。

一歩間違えれば、まったく印象に残らない人。

(ひかりふる路のデムーランは個人的にそうだった)

そんなデムーランが唯一、皆の先頭に立って

鼓舞するのが、「武器を取れ」の場面。

あれがあるのとないのとでは大違い。

きっとデムーランとしても、すごく勇気を出して

声を出した場面なんだろうな、と思います。

 

 

ダントンは、3人の中で一番分け隔てなく

人と接することのできる人。

女と酒が好きで、でもソレーヌには一途で…

豪放磊落。理生さんの持ち味にぴったりだし、

3人の中で一番器用に生きられる人だと思う。

 

史実ではソレーヌという女性が妻ではない。

こんなにラブラブで魂から惚れている感のある

ふたりが、そのうち別れるなんて、想像したくない。

だからきっとダントンの奥さんは、

1789という話の中でだけ

名前がソレーヌなんだと思う(笑)。

でもとっても愛妻家だったという史実には

ものすごく忠実なダントンだった。

 

ダントンは人情味にあふれている人で、

ペイロールを見て思わず駆け出しそうになる

ロナンを抑えるのは基本ダントン。

パン屋を襲撃したソレーヌを、やめるよう説得して

よしよしって慰めるのもダントン。

マズリエ兄妹の慰め役(笑)

 

シャルロットと仲良しなのも萌えポイント。

劇中ではないですけど、カーテンコールで

理生さんが挨拶終えたあと、列に入ったら

しゃがんでシャルロットに「おいで!」ってするんです。

それでてててーって腕に飛び込む子役ちゃんが

かわいくてたまらなかったです。

 

個人的には、圧倒的ダントン推しなんです(笑)

最後の観劇では、基本ダントンを目で追っていました。

「パレ・ロワイヤル」が大好きなんですけど、

劇の割と前半で終わってしまうのが残念でした。

「サ・イラ・モナムール」は基本ダントンとソレーヌを

オペラグラスで追っていました。

そうすると、たまにロナンとオランプが

うまい具合に視界に入って邪魔をしてきて、

「んあああ!!!!」ってなっていました←

 

 

りょんりょんのロベスピエールは、

感情の起伏が激しいのかな、と思った。

ロナンが亡くなった時の取り乱し方は

尋常じゃないし、そのままの勢いで叫ぶ

人権宣言には、狂気すら感じた。

きっと素直すぎる人なんだ。

このあとロベスピエールが起こす悲劇を

予感させるような迫真の演技でした。

時々滑舌が曖昧になるのが残念だったかな。

 

ところで、「サ・イラ・モナムール」の場面、

ロナン、デムーラン、ダントンには相手がいるけど、

劇中に現れたことのない彼女が突然現れて

あんた誰!ってなことが宝塚版であったんですが

東宝の初演でもそうだったらしいんですね。

でも、再演では伏線ができたんです。

 

わたしそれを知らずに1回目を観て、

観劇後にパンフレットの鼎談を読んでそれを知って

「え!どこ!!!気づかなかった!!!」

ってなったのですが(笑)、

博多座で気づくことができました。

ムニュ・プレジールの門を開けさせるために

戦っているとき、転んでしまった女の子に

ロベスピエールが手を差し伸べていたのでした。

 

…いやー、真ん中見てたら気づかんよ!笑

てかその伏線に気付いていたとしても、

まさかそこからサイラの輪に加わるほど

親しくなるとは思わないじゃん(笑)!

いきなり現れるよりはいいですけどね。

 

 

革命家の中の人たちは本当に仲良しのようで、

それがお芝居にもよく滲み出ていました。

このあと、ロベスピエールがダントンとデムーランを

処刑するなんて本当に信じられない。

本当に、1789って彼らの革命への思いが

ひとつになってきらめいた、刹那の物語なんだな。

 

 

東宝版「1789」感想4

 

オランプ・デュ・ピュジェ(夢咲ねね・神田沙也加)

 

純粋で忠誠心に満ちた人。

 

アルトワ伯からうまーく逃れているのを見ると、

とても機転が利く人なんだと思う。

 

あれ、すごくない?

 

王族に「今度パレ・ロワイヤルを案内してくれ」

って言われて返す言葉が

「この身は王太子様の養育係として

 王妃様に選ばれたもの。

 王妃様のお許しを得ずして王族の方と

 出歩くなど以ての外でございます」

だよ!?

 

よくあんな返しできるよねえ…

 

きっと元々勇気のある聡明な人なんだと

思うけど、実はロナンに感化された部分も

大きいんじゃないかなあと思う。

 

ねねンプは、お歌あんまり得意じゃないのは

相変わらずだけど(苦笑)、

そんなに聞き苦しくはなかった。

 

ねねちゃん、背高いのにさ!

和樹くんと並ぶとしっかり身長差あるの!

すごいわ~。かーねねの並び、良き。

 

さやンプは、発声がまず違う!

第一声聞いたとき、びっくりした(笑)

すごくよく通る声なんだなと。

そして強い意志を感じる声だった。

歌唱力はもう言わずもがな。

あと、ラマールとの笑いの間が完璧だった。

 

ラマールたちがロナンを逃がした兵士を探す場面、

兵士に変装したロナンとオランプがわたわたしながら

逃げていくのが好き(笑)。

宝塚版にはないよね?

てぺさやの時、「チビの兵士を見つけろ~♪」のとこで

「チビだって!あんたばれちゃう!」

「は!?おれ!?お前のことだろ!!」

とでも言ってるようなジェスチャーしてて笑った。

かーねねには決してできない。

 

むしろねねンプのときは

「いやねねちゃんちっちゃくないだろw」

って思いっきり心の中で突っ込んだ。

 

 

さて、宝塚版のオランプは、トップ娘役では

なかったために出番が減らされておりましたが…

フランス版の通り、東宝版ではオランプが

「許されぬ愛」をソロで歌っております。

王太子の葬式のあとですね。

これによって、一度はロナンを突き放すけど

やっぱりロナンが好き…という気持ちが

よりはっきりします。

 

あと、アルトワ伯の「私は神だ」は、東宝版には

ロナンはいません。曲が終わったあとに

「オランプを連れて帰るのは俺だ!」

と颯爽と登場します。ヒーローか。

そのあとの「天使のお導きでね!」が

かっこいいです。言ってみたい←

ちなみに実際にはシャルロットのお導き。

 

 

「ロナンの相手役」という点で、確かにオランプは

ヒロインかもしれない。けれどそれ以上に、

彼女もまたフランス革命の時代に生きた

女性の一人、という感じがすごくします。

主人公のひとり、というと言い過ぎかな。

でもそのくらいの感覚です。

 

ロナン亡きあと、オランプはどういう人生を

歩んだんだろう。

ロナンから、「次の時代を生き抜くんだ」と

未来を託されたオランプの人生、気になる。

 

フランス版では、なんとオランプが亡くなる

バージョンもあるんですってね。

それもそれでちょっと見てみたい。

 

 

東宝版「1789」感想3

 

ロナン・マズリエ(加藤和樹小池徹平)

 

行動力と勇気のある人。

台詞のとおり、不器用なのかもしれないけど

自分で進むべき道をしっかり考える人。

 

不器用な男っぽさがよく出ている点で、

個人的には和樹ロナンの方が好きです。

真咲さんのロナンが「前向きさ」が

出ているのに対して、和樹ロナンには少し

「卑屈さ」があるんですね。

こういうロナンもあるのか!と思って

初めて帝劇で観た時は衝撃を受けました。

 

真咲さんが自家発電タイプだったように、

徹平ロナンも持ち味的に割とそんな感じで

だからこそ渋く土臭さの光る和樹ロナンが

新鮮に映ったのかもしれません。

 

宝塚版にはない「革命の兄弟」。

ロナンがデムーランやロベスピエールと出会い、

彼らの考え方に触れ心をひらく大切な場面。

「俺にも幸せ求める権利がある

 やりたい仕事に就く権利がある

 誰が誰を好きになってもかまわない」

この歌詞が、このあとの物語の芯を表していて

とても心にしみます。

この時からすでにロナンは革命の趣旨に沿った

思想を心の内に秘めていたんだとわかります。

それを革命家たちに引き出してもらった。

 

ちなみにここ、

「君も新聞を読むのか?」

「バカにすんな!俺だって字くらい読めんだよ」

というくだりがあります。

この数行の台詞に、この時代のフランスの現状と

平民にも階級の差があるという状況、

意識せずとも見下しているプチブルジョアたち…

と様々な状況をわたしたち観客に示しています。

「革命の兄弟」は曲としても大好きですが、

そういった深い意味を持つ場面としても

とても印象深い場面で、大好きです。

 

ところがパレ・ロワイヤルで捕まって投獄され、

ペイロールに拷問を受けながら

「彼らは金持ちの息子たちだ、

 お前の気持ちなんてわかるはずない」

という洗脳をされかけます。

この洗脳が、「自由と平等」に繋がっていくんですね。

 

そういえば、パレ・ロワイヤルで寝泊まりを

しているのはわかっていましたが、

王妃とフェルゼンの逢瀬に遭遇した夜は、

ソレーヌが夜の女になっていることを知って

やけ酒して酔っぱらって寝ていたんですね。

だから王妃に絡んでいってしまう、と(笑)

ソレーヌにはいずれ遭遇していたかもしれないけど

ダントンが意図せずとも引き合わせたわけで、

この事件は間接的にはダントンのせい…(笑)

 

 

 

ロナンの気持ちにはこの2時間半の中で

様々な流れがあって、革命への気持ちと

オランプへの思いが交錯していく。

最終的にはどちらも手に入れられるけど…

 

宝塚版では最初バスティーユの場面から

始まって、ボースの場面に遡りますが、

東宝版はいきなりボースから始まります。

だからまっさらな気持ちで見ると、本当に

どうなるかわからない。

もちろん結末は知っているけど、

ボースから世界観に入り込んでいると

最後バスティーユの陥落を見届けて

感動して、希望に満ちたところまで行って

ロナンが死んでしまうので、

その分絶望も大きいのです。

革命家たちの気持ちにより寄り添えるというか。

 

ロナンとの出会い、そして死が

革命家たちにどういう影響を与えたのか。

それは革命家たちのところで書きます。